基本はネタ帳。
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「え、それって本当ですか、リナリー」
「うん。アレンくんが知らなかったのは意外だけど。ラビと仲良いからとっくに聞いてたと思った」
「知りませんでした。だったら・・・・・・」
「うん。そう思って持ちかけてみたの」
楽しそうな話し声に、ティキは冷たいアイスコーヒーを二つ持ってアレンとリナリーのもとへ向かう。
「お嬢さんたち楽しそうだね。何を話してるんだ」
二人は顔を見合わせ悪戯っぽく笑った。
「秘密、です」
あとそれから僕はお嬢さんじゃありませんからねと頬をふくらませるアレンに言葉の綾だと返す。そうだ、とリナリーが手を叩いた。
「もしかしたらティキさんにも協力してもらうかもしれません。そのときはお願いします」
「それから、明日お店休ませてもらっていいですか」
「それは構わないけど・・・いったい何を企んでいるんだ?」
二人の少年と少女は楽しそうに笑った。
夏真っ盛り、セミがじりじりと暑さを感じさせる声で大合唱をしている。
むき出しの腕が焼かれる様がよくわかり、一瞬ノースリーブで来たことを後悔したが、それでもわずかでも直に風を感じられるほうがいい。
ラビはArkの前で自転車を止めた。
このあいだは夜遅くまでアレンに迷惑をかけてしまった。(アレンは迷惑とも思っていないのだろうけど)
今日はそのおわびとして休みの日を聞きだし、今度遊びに連れて行ってやろうと思っていた。
扉に手をかけて引いてやると途端に涼しい空気が外へと逃げていく。
「よう眼帯君」
「ホクロ、アレンいる?」
「いきなりそれかよ。あと店長と呼べ」
そう前置きしたあと、今日は出かけてるぞと告げられる。
アレンがいることを信じて疑わなかったラビはたっぷり数秒停止した。
そのあいだにティキは注文を受けにいったり厨房へ行ったりと、アレンがいないということでなかなか忙しかった。
立地条件が悪かろうがこの暑い盛り。偶然見つけたコーヒーショップで涼みたいという客は少なくなく、ご新規さんも日々増えている。
店としては喜ばしいことだがいかんせん一日とはいえ一人で切り盛りしていくのは厳しい。
「オレ、手伝おうか」
思わず口にしたラビにティキはそれは助かる、と嬉しそうに答えた。
「今日は休みにしておけばよかったと思ってたところだ」
「アレンが休みなんて珍しいさ」
「少年は今日デートだからな」
思わずエプロンをつけていた手が止まる。
「デート? アレンが?」
「常連のお嬢さんと。たしかリナリーだったか」
「リナリー!?」
その名前には聞き覚えがある。昔よく遊んだ幼馴染の少女の名前。
「世間って狭い・・・」
「ほんとにな。眼帯君レジ行ってくれ」
「いいかげん眼帯君はやめろよな」
軽口を叩いてレジへ行くと愛想の良い顔で客の対応をする。
幸か不幸かラビの記憶力はずば抜けていて、レジ打ちの作業をしていても他のことを考えるだけの余裕は十分にあった。
アレンのことは親しい店員で、友人だと思っている。
いつもなんだかんだで頼っていた彼に彼女ができたとして。
しかもその彼女が自分もよく知る優しい少女だとして。
いつのまに二人が出会ったかなんて知らないけど仲のいい友人二人がしあわせならおめでたい。二人とも優しいから、ときどき三人で遊ぶのも楽しいと思う。
けれどなんだか複雑だった。
自分にはまだ特定の相手はいないのに一足越されたかんじがするのかもしれない。
ひとしきり考えて(その間も手は動いていた)、ラビの勉強に関しては優秀な頭脳はズレた結論を出した。
(よし、オレもそろそろアレン離れしよう)
いくら二人が優しいからといって正直なところ邪魔だろうし、ふとしたときに疎外感を感じてしまったらやりきれない。
たしかにここは居心地がいいけれど、甘えてしまっては駄目だ。
アレンとリナリーがつきあっているという仮定のまま、ラビは決意を固めた。
また余計なこと言っちまったかな。
妙な決意を固めているラビを見てぼやいたティキの声はもちろん届かなかった。
* * * * *
なんだかコメディ。ラビは優秀な頭脳を持っているはずなのになんでこうなっちゃったのか。
書いてて楽しいですけどまどろっこしいです。
「うん。アレンくんが知らなかったのは意外だけど。ラビと仲良いからとっくに聞いてたと思った」
「知りませんでした。だったら・・・・・・」
「うん。そう思って持ちかけてみたの」
楽しそうな話し声に、ティキは冷たいアイスコーヒーを二つ持ってアレンとリナリーのもとへ向かう。
「お嬢さんたち楽しそうだね。何を話してるんだ」
二人は顔を見合わせ悪戯っぽく笑った。
「秘密、です」
あとそれから僕はお嬢さんじゃありませんからねと頬をふくらませるアレンに言葉の綾だと返す。そうだ、とリナリーが手を叩いた。
「もしかしたらティキさんにも協力してもらうかもしれません。そのときはお願いします」
「それから、明日お店休ませてもらっていいですか」
「それは構わないけど・・・いったい何を企んでいるんだ?」
二人の少年と少女は楽しそうに笑った。
夏真っ盛り、セミがじりじりと暑さを感じさせる声で大合唱をしている。
むき出しの腕が焼かれる様がよくわかり、一瞬ノースリーブで来たことを後悔したが、それでもわずかでも直に風を感じられるほうがいい。
ラビはArkの前で自転車を止めた。
このあいだは夜遅くまでアレンに迷惑をかけてしまった。(アレンは迷惑とも思っていないのだろうけど)
今日はそのおわびとして休みの日を聞きだし、今度遊びに連れて行ってやろうと思っていた。
扉に手をかけて引いてやると途端に涼しい空気が外へと逃げていく。
「よう眼帯君」
「ホクロ、アレンいる?」
「いきなりそれかよ。あと店長と呼べ」
そう前置きしたあと、今日は出かけてるぞと告げられる。
アレンがいることを信じて疑わなかったラビはたっぷり数秒停止した。
そのあいだにティキは注文を受けにいったり厨房へ行ったりと、アレンがいないということでなかなか忙しかった。
立地条件が悪かろうがこの暑い盛り。偶然見つけたコーヒーショップで涼みたいという客は少なくなく、ご新規さんも日々増えている。
店としては喜ばしいことだがいかんせん一日とはいえ一人で切り盛りしていくのは厳しい。
「オレ、手伝おうか」
思わず口にしたラビにティキはそれは助かる、と嬉しそうに答えた。
「今日は休みにしておけばよかったと思ってたところだ」
「アレンが休みなんて珍しいさ」
「少年は今日デートだからな」
思わずエプロンをつけていた手が止まる。
「デート? アレンが?」
「常連のお嬢さんと。たしかリナリーだったか」
「リナリー!?」
その名前には聞き覚えがある。昔よく遊んだ幼馴染の少女の名前。
「世間って狭い・・・」
「ほんとにな。眼帯君レジ行ってくれ」
「いいかげん眼帯君はやめろよな」
軽口を叩いてレジへ行くと愛想の良い顔で客の対応をする。
幸か不幸かラビの記憶力はずば抜けていて、レジ打ちの作業をしていても他のことを考えるだけの余裕は十分にあった。
アレンのことは親しい店員で、友人だと思っている。
いつもなんだかんだで頼っていた彼に彼女ができたとして。
しかもその彼女が自分もよく知る優しい少女だとして。
いつのまに二人が出会ったかなんて知らないけど仲のいい友人二人がしあわせならおめでたい。二人とも優しいから、ときどき三人で遊ぶのも楽しいと思う。
けれどなんだか複雑だった。
自分にはまだ特定の相手はいないのに一足越されたかんじがするのかもしれない。
ひとしきり考えて(その間も手は動いていた)、ラビの勉強に関しては優秀な頭脳はズレた結論を出した。
(よし、オレもそろそろアレン離れしよう)
いくら二人が優しいからといって正直なところ邪魔だろうし、ふとしたときに疎外感を感じてしまったらやりきれない。
たしかにここは居心地がいいけれど、甘えてしまっては駄目だ。
アレンとリナリーがつきあっているという仮定のまま、ラビは決意を固めた。
また余計なこと言っちまったかな。
妙な決意を固めているラビを見てぼやいたティキの声はもちろん届かなかった。
* * * * *
なんだかコメディ。ラビは優秀な頭脳を持っているはずなのになんでこうなっちゃったのか。
書いてて楽しいですけどまどろっこしいです。
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