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 ラビが避けてる。
 そう気付いたのは最近のこと。
 アレンがティキに同意を求めると、ティキはどこか気まずそうにそして申し訳なさそうに視線をそらした。
「ケンカでもしたの?」
「あー・・・うーん。そういうわけじゃないけど」
「歯切れ悪いなあ。いいです。今はそのほうが助かりますし。でもケンカしたんならちゃんと仲直りしてくださいね」
「オレも眼帯君も子供じゃねェんだけど」
「子供みたいに意地っ張りなところがそっくりですよ。それと放っておけないところとかも」
 スケジュール帳を引っ張り出して日数を数える。そこから今日の計画を具体的にたて、この家に唯一ある電話へと向かった。
「アレン母さんオレは何すればいいですかー?」
「どうせならお父さんがいいなあ。ティキはクラッカーを買ってきてくれる?」
「りょーかい」
 秘密の計画というものはいくつになってもわくわくするもので。
 気の抜けた返事と裏腹にティキはどこか楽しそうにいそいそと靴を履いて出ていった。





 夏の日差しがじりじりと肌を焦がす。
 その感覚に眉根を寄せながらティキは視界の端に背の高い赤毛の美丈夫をとらえた。
 見なかったことにしよう。うん。
 そう思うが時すでに遅し。
 背を向けた瞬間、肩を容赦なくつかまれた。
 自慢じゃないがティキは十分に背が高い。それをさらに上から威圧されるように睨まれ、口の端がひくりと引きつった。
「出会い頭に背を向けるとは随分な挨拶だな? ティキ・ミック」
「よお、クロス何の用?」
 表面上は友好的に取り繕うも、冷や汗は隠せない。
 気がついたらバーにつれられていた。


 拝啓、少年。オレは今自称あなたの保護者に拉致られています。
 願わくばこの状況を何とかする方法を教えてください。いやホント。誰でもいいから。
 ティキはため息をつくとようやく現実と向き合った。
 隣ではクロスがさっさとカクテルを注文している。いや、カクテルなんてものを好みそうにないから、もしかしたらワインの類かもしれない。
「で、何の用件? だいたいわかるけどさ」
「馬鹿弟子はどうしてる」
 ああやっぱりね。
 あんたも無関心なフリしてるけど少年に甘いよな。



  続きます。(だったら非公開にしておけという)
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