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基本はネタ帳。
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 綺麗な髪だね。

 艶やかで長い彼の髪に指を絡めて言ったら眉をすがめられた。
 それでも、彼がここまでスキンシップを許してくれるのは稀だから、今日だけは噛みつかずにもう一度綺麗と繰り返す。
 顔をしかめるのを横目で見ながら、上で結わえてある髪紐を悪意なくひっぱれば広がるぬばたまの髪。
 まるで彼をそのまま表しているみたい。
 すっきりとして何よりも強い色は何にも染まることなく凛とそこにある。

――変わらないでくださいね。

 思わず口にすれば、怪訝そうに睨んできて(もしかしたら本人にその気はないのかもしれない)。
 する、と手にした髪が滑って離れていった。

 あーあ。行っちゃった。
 そういうそっけないところは、まあ嫌いじゃない。ときどき、腹がたつこともあるけど。
 黒猫みたい。いや、夜の闇かも。
 どっちにしても黒いのか。僕とは正反対だね。

 羨ましいのか少し憎らしいのか。やっぱり羨ましいかも。
 そうやって切り捨てていくのは嫌味でなく僕には出来ないし、しがらみに囚われずに進むこともときどき難しくなってしまうから。
 だから君はそこにいて。
 ある種の道しるべのように、凛と。

 非情なまでのを身にまとって。



* * * * *
 日付が変わるまでの15分でネタから作って短文が作れるかチャレンジ。
 慣れないことはするもんじゃないな、と思いました。(ちょっとズルもしました)
 神田さんにアレンさん語り。NOT神田←アレン。(まぎらわしい)
 神田視点も書くべきだろうか。

お題元→Vacant Vacancy
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 潮の匂いを運ぶ風に誘われて、アレンはふと顔をあげた。
 隣にいたクロウリーも不思議そうにアレンと同じ方向を見ている。
「二人とも、どうしたさ?」
 シュルシュルと槌を小さくしながらラビがやってきた。
「潮の匂いがします」
「潮?」
 ラビもそのわずかな香りを嗅ぎ取ろうとしたらしい。けれど、戦闘後の粉塵が舞うここではなかなか難しいのか顔をしかめた。
「海なんてあったか? おーいホクロふたつ」
「相変わらず失礼な人ですね・・・」
「間違いないですよ。ねえリンク、本部に戻る前に少しだけ寄っちゃ駄目かな?」
 アレンは目をきらきらと期待に輝かせながらリンクに頼みこむ。
 クロウリーも瞳を輝かせてリンクの返事を待っている。長身の彼が子供のように無邪気に見つめてくる姿を見たリンクはうっとたじろいだ。
 期待のこもったまなざしに、ふっと陰りが入った。
「駄目であるか・・・?」
 何か、ものすごく罪悪感を感じる・・・!
 ラビが咎めるような視線を送ってくるのを無視して腕時計を見、リンクは折れた。
「1時間が限度です」
「やった!」
「ありがとうであるリンク!」
 目の前で喜びあう二人に、降参としてため息をつく。
「お前も大変さね」
 ・・・余計なお世話だ。



 潮の匂いを頼りに進んでいくと急に視界が開ける。
「うっわぁ!」
 真っ青な海が陽の光を反射して、とてもまぶしい。
 砂浜には誰もいなくて、海にも遠くに小さく船が見えるくらい。
 この場所は今、貸切だよと言われているようで、思わずわくわくした。
「砂、さらっさらだ!」
「熱っ」
 素手で砂を触ったクロウリーが小さく悲鳴をあげた。
 それから顔を見合わせて、なんだか楽しくなって、衝動のままに駆け出した。
「アレンとクロちゃん、元気さねー」
 少し離れたところでそんな二人を見守る人影が二つ。
 熱い熱いと団服を脱いで、ラビは二人をまぶしそうに見守った。
 リンクはラビのように脱ぐことはなかったが、きっちりと留めたボタンを外し、愛読書のスイーツ本を開いている。
 それでも監査官という本来の仕事を忘れてはいないのか、ときどきアレンたちのほうを見て目を細めた。
「海ではしゃぐなんて子供ですか」
「まあまあ。二人ともこうやって手放しに海ではしゃいだことなんてないから珍しいんじゃね?」
 太陽が降り注ぐ中、二人の髪がきらきらと光を反射して輝く。
 リンクはその様子をもう一度見て、何も言わずに本へと視線を戻す。
 ラビが穏やかな波の音を聞きながら二人を見守っていると、アレンはブーツを脱ぎだした。

「せっかくだし、入りません?」
 言うが早いか素足になり、続いて手袋も脱ぎだす。
 それに習ってクロウリーもブーツを脱いだ。
 素足で砂を踏みしめる感触。
 やけどしそうなほどに熱いけれど、とても気持ちよかった。
「ちょっと入ってきますねー」
「羽目を外し過ぎないように」
「はーい」
 ばしゃばしゃと音を立てながら海へ入る。
 ひんやりと気持ちいい。
 寄せては返す波が面白くて、ズボンをもっと高くまくるとさらに深いところへ足を踏み入れた。
「危ないであるよ」
「平気だ、」
 よ、と続けようとしたところでアレンは波に足をとられた。
 慌ててバランスをとろうとするものの、海という特殊な場所では踏ん張るのも難しい。
「う、わ」
 直後、派手な音をたてて水しぶきがあがった。
「アレン!」
 クロウリーが急いでアレンのほうへ駆け寄ってくる。
 しりもちをついてしまったせいで服はもう完全に濡れてしまった。
 その状態のままでクロウリーを見上げ、改めてクロウリーの背が高いことを知った。
 ちょっと、どころではなく羨ましい。
 アレンはまだ成長期だからと自分を励ましてみるけれど、イノセンスにほとんどのエネルギーを取られているいまの状態を見るとそうも楽観的にはいられない。
「アレン?」
 クロウリーは心配そうにアレンを見て、手を差し出した。
 彼はいつもは天然でちょっと頼りないように見えても、ちゃんと大人だ。
 ときどきそれを強く感じて、ちょっぴり寂しくも思う。
 どうしてもこの差は埋められないから。
 だから、
 ぐいっと差し出された手を取って、アレンは悪戯っ子の笑みを浮かべた。
 きょとんとするクロウリーの隙をついて強く引っ張る。
 二人して倒れこんで、さっきよりも大きな水しぶきがあがった。
「ぷはっ」
「あはは、クロウリーもずぶぬれ!」
「やったな!」
 そのあとはいつのまにか水の掛け合いに。
 それはリンクとラビが止めにくるまで続けられて。ついでに二人も水をかけられて。
 リンクはもちろんお説教をして、ラビはそれでも楽しそうな色をしたアレンとクロウリーの瞳を見て苦笑を浮かべながら湿ってしまった明るい色の髪をかいた。
「アレンもクロちゃんも風邪ひくなよ」
「わっ、大変クロウリー。はい、タオル」
「あなたもです、ウォーカー」
「ほら、クロちゃん髪ふいてやるさー」
「ありがとうである。でも自分でできるが?」
「いいのいいの。オレがやりたいんだから」
「帰ったら大浴場に入ること」
「はーい」
 世話焼きな二人の傍でアレンとクロウリーはこっそりと顔を見合わせ、くすりと笑った。
 潮のにおいをたっぷりと含んだ風が頬をくすぐっていく。
 振り返って、そっと海に別れを告げる。
 傾いた太陽がほのかに水を染め上げていて、きらきらと手を振っていた。


* * * * *
 今年の夏は海にも山にも行けなかったのでその悔しさをぶつけてみました。ちなみに山が好き。でも描写としては海のほうが効果的なのは認めざるを得ません。
 描きたかったのはクロウリーの可愛さと無邪気さとそれでも大人なところと、15歳のアレンです。あれ、ラビとリンクは?
 一応CPなしのつもりです。

 友人リクエスト「+クロウリー」ということでアレンとクロウリーとラビとリンクでした。

 微ネタバレ&捏造注意。



 ノアの襲撃はエクソシストおよび黒の教団、ひいては中央庁にまで大きな爪痕を残して去った。
 失った命は計り知れず、代償も大きい。
 そんな中でアレンは生き残った命として、ゲートを繋ぎ積極的に任務に赴いていった。
 また、助けられなかった。そんな自責の念がアレンを戦場へ駆り立てる。
 前へ。ひたすらに前へ。
 目の下にうっすらとクマを作りながら精力的に働くアレンに、見知った仲間たちは一様に心配そうな顔をし忠告をしたけれど、アレンは知らないフリをした。

「―――哀れなアクマに魂の救済を」
 大量の寄る辺を失った魂たちを解放し、今や見る影もない廃墟の中心でアレンは祈る。
 退避していたリンクへは先ほど無線で戦いの終わりとこの場所を告げた。もう間も無くやってくるだろう。
 左目に感知するアクマはいない。それをもう一度確認して発動を解く。
 アレンの横を通り抜けるだけの風の中に、よく知る声が混じる。
 視界の端に色彩の薄いこの景色の中で陽の光を浴びて輝く金の髪をとらえる。もの言いたげな彼に無事ですよと伝えようとして身体をひねり、一歩踏み出した。
 ここまでは覚えている。
 戦闘後の緊張が解けたことがいけなかったのだろうか。金色をした相棒と慌てたような羽音と、リンクの声を最後にアレンの記憶はここで途絶えた。

 目を開いたら四角くて白い天井。太陽は見えない。
 背中に確かに感じた堅い地面は、いつのまにかこれまた白くて柔らかいベッドへと変わっている。
 身体を起こせば酷い頭痛がした。
 アレンは続いて右腕に刺さっている管を見て、思わず引き抜こうとした。
「何をやっているのですか!」
「あ、リンク」
 あ、じゃないですよ!、とリンクが声を荒らげる。タイミング悪く(リンクにしてみればタイミングよく)部屋に入ってきた彼はリンゴやら何やらの果物をいっぱいに抱えて、ずかずかと歩み寄ってきた。
 ちょうどいいとばかりにアレンは口を開き、言の葉を紡ぎだす前にリンクが先に答える。
「倒れたんです。任務終了後、そのまま。医師が言うには軽度の過労と寝不足、それに栄養失調」
「・・・・・・・」
「あなたが身体を酷く酷使しているのは知っていました。それを黙認していた私の責任でもある。ウォーカー、わかっているのか?」
「何を、ですか?」
「あなたの精神が磨り減り、意識が弱くなればその分14番目につけこまれる可能性も高くなるのだと」
 アレンの表情がわずかに強張る。
 アレン・ウォーカーの身体には危険な種が宿っている。深く根をはり、いずれアレンの意識を侵食してしまうと言われる、それ。実際に今まで顔を出してきたこともあった。
 もうこの身体すら完全にアレンのものであるとは言えないのだ。
「リンク、ぼく」
「14番目の兆候はありませんでした。これで満足ですか? さあベッドに横になる!」
 アレンが息をほっと吐き出すと、このごろ更に世話焼きになった気がする監査官はアレンをベッドに押し戻し、布団をかけた。
 ちょうどそこで白い服を着た看護士がやってきた。知らない顔だと思い、ここが教団の医務室でないことによくやく気付く。アレンはさっと顔色を変えた。
 予想に反して看護士はアレンに声をかけると手際よく検分し、カルテに何事かを書き込んでいた。もしも、この看護士が自分を担当しているのだとしたら左手に気付かないわけがない。アレンがじっと看護士を見ていると、視線に気付いた看護士は、ああ、と笑った。
「右腕。点滴、ごめんなさいね?動きにくいでしょう。でも左腕じゃどうも血管を捕らえられなくて。私もまだまだだなー」
 看護士は能天気にそんなことを言った後、過労と睡眠不足、栄養失調の怖さについて真面目な調子で説いた。
 そして彼女が部屋を出ると、リンクはようやく口を開いた。
「そういうわけで君には1日ほど入院していただきます」
「僕はもう大丈夫ですよ?」
「室長命令です。ここではすることもないのだから身体をしっかり休めるように」
「・・・・はい」
 しぶしぶと頷く。2日でなくてよかった、と思うことにした。
 ティムキャンピーは何故か見当たらず、することもない。
 アレンは右腕に繋がる点滴を追った。
 ぽつん、ぽつん、と一定のリズムを持って落ちる雫。
 普段のアレンの食事量と比べればあまりにもわずかな量。それがゆるやかな速度で内側へと入り込み、アレンを動かす助けとなっている。
 ほんのわずかな支え。けれど止むことはない。
 身体を完全にベッドへ預け、深呼吸してみた。
 リンクへと目をやれば、彼は袋の中から真っ赤に熟れた艶々のリンゴと果物ナイフを取り出しているところだった。
 じっと見ているとリンクはすぐに気付く。
「何か?」
「うん。ねえリンク、」
 今、君が監視でよかったなって思ったよ。
 リンクは何も言わなかった。
 するすると鮮やかな手つきで皮をむく。アレンはそれをおかしそうに見ていた。
 むき終わったリンゴが手渡され、瑞々しいそれに歯を立てる。
 生きているんだ、と唐突に思った。
 開いた窓から入ってくる風が白くてやわらかなカーテンを揺らす。
 蜜をたっぷり含んだ果実を咀嚼し、もう一度思う。

「リンク、お腹すいた」
「果物しかありませんよ。あとは病院食で我慢なさい」
「うん。ね、次はうさぎリンゴがいいです」
「子供ですか」
 けれどもう一つリンゴを手に取ったところを見ればリクエストに応えてくれるつもりなのだろう。
 くすくすと笑って、静かに目を閉じる。
 目を閉じれば、この白い病室に不釣合いなほどに強い命の音が聞こえてきた。


* * * * *
 テーマは「点滴」。どこがだよと私がつっこみたいくらいです。
 なんだか書きたくなって書いたらまとまりがなくなってしまいました。
 途中で調べてみたところ、点滴では水分補給が主で栄養はほとんど取れないそうです。ジュース1本分程度。致命的なミスですね!(いまさら直す気はない)
 何かを書くたびに試験に出ない知識が増えていきます。

 魂を無事送り届け、アレンは上司と連絡を取る。左耳にかけられたイヤリングから聞こえてくる能天気な声。
 その声を聞いて初めて知らず知らずのうちに詰めていた息を吐き出した。
 ティムキャンピーが気づかう素振りを見せたので、大丈夫、と声にせずに伝える。
「・・・・疲れたかい?」
「あ、いえ大丈夫です。次のリストがあったら送ってください」
「駄目だよ無理しちゃ! アレンくんはすぐに無茶するんだから」
「あはは・・・」
 怒ったような上司の口ぶりにアレンはどこか乾いた笑いをもらす。
 この仕事は精神力をすり減らすのだ。特にアレンはすぐに根を詰めるから、上司であるコムイとしては困ったものだ。
「とにかくアレンくんは休むこと。リストはまだたまってないから数日の間は『人間生活』を楽しんで」
 ティムはアレンくんをしっかり見張っててね、と続けられた言葉に優秀な相棒は任せろとばかりに羽を大きくはためかせる。
 信用ないなぁと、苦笑するとコムイからもう一度念押しされた。
「それと、もしそっちでクロスを見かけたら教えてくれる?」
「・・・師匠、また失踪したんですか」
「こっちはいつでも人手不足で年中無休なのに困ったものだよね。まったくアレンくんとは正反対なんだから」
「わかりました探しておきます。・・・本当に、その、休暇なんてとっていいんですか」
「『死神』はなにもアレンとクロスだけじゃないよ? それに疲労のせいで魂が正しく還れないなんてことがあったらそれこそ一大事だ」
「そう、ですね。わかりました。でもコムイさん、」
「うん?」
「コムイさんも、無理しないでくださいね」
「・・・・ありがとう」
 プツン、とそこで通信は切れた。
 大きく伸びをするとそれまで忘れられてきた疲労が一気に押し寄せてくる。
「とりあえずは寝る場所を確保しなくちゃね、ティム」
 目立つ白髪を隠すようにコートについた黒いフードをかぶり歩き出す。
 すでに陽は傾き、町を往く人々を淡く染め出していた。
 かあかあとカラスが鳴き、子供たちは家路へと駆けていく。
 その様子をアレンはしばし眩しそうに眺めていた。
 同時にそんなどこにでもある平穏を壊すような喧騒が耳に入ってきた。
 音の発生源である路地裏を覗けば、そこではおおかた予想通りケンカがおこなわれていた。
 違ったのは、いかにも血気盛んそうな似たり寄ったりな服装の若者たちに対して、対峙しているのは長い髪を高い位置で結わえた青年一人だったこと。
 いわゆるリンチ、ではなく青年は圧倒的な強さで相手をのしていく。
 それでもやはり多勢に無勢。青年が数人を相手にしている隙に背後を狙われる。
「危ない!」
 とっさにアレンは大剣を出現させ、勢いをつけて振り下ろし小さな突風を作り出した。
「ごめんなさい!」
 アレンの大剣は普段魂を送るときに肉体と離す手段として人の未練を裁つもの。
 病室には機会の単調で無機質な命をかろうじて繋ぎとめている音と、白いベッドに力なく横たわる少女の苦しげな呼吸だけが響く。
 ふと、傍らに何かの気配を感じ、少女はどうにか重いまぶたを持ち上げた。
 不思議だった。視力も弱り自分を生かしている機会もおぼろげ。なのに、横に立つ人影ははっきりと見えた。
 黒いフードの隙間から白い髪がのぞいている。奇妙な少年。
 少女はかすれた声で問いかけた。
「死神さん?」
 白い髪の少年は何も答えなかったが、少女はそれを肯定ととった。
「わたし、死んじゃうの?」
「・・・・・・・」
「いやだなぁ。まだ、生きてたい。お父さんが悲しむもん。お母さんも。
 ・・・不思議。喋るのが苦しくないね。ねぇ死神さん、向こうはどんなところ?」
「とても、安らかな場所です。君を脅かす脅威もなければ、君の心を躍らせる出来事もない。良くも悪くも安寧な場所です」
 聞こえた声は穏やかでどこか中性的な優しい声。少女はなんとなくほっとした。
 けれど。
「死にたくないな・・・」

 やがて身体がふっと軽くなった。
 不思議と未練はもうない。
 少年は光へと姿を変え、少女の魂を導いた。
「さあ行きなさい。君が輪廻の輪に乗って再び命を得、再び生をまっとうする日にまた相見えんことを」
 言霊に包まれ、翼を得た魂はまっすぐにあるべき場所へ進む。
 それを見届けると光はもう一度少年の姿をとり、少女の魂のために黙祷を捧げた。

 病室を出ると、急いで今少年が出てきた病室へ駆け込む男性が目に入り、胸が痛んだ。
 すれ違う人々は誰も少年を気に止めない。
 あてもなく歩き、人がいなくなったところで通信機を起動させた。

「―――もしもし、こちらALLEN」

 これは、死神の少年と、ある青年が過ごした奇妙な日々の記録。
 数日間の白昼夢のような物語。
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