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(下の続き。ティーンズで学パロ)
(設定上アレンとリナリーは1年生、神田とラビは3年生)



 ストラップには見覚えがあった。当然だ。4人おそろいで買ったものだったのだから。
 2つで一組の白と黒のストラップを2種類買って4人でわけた。神田とラビが黒、僕とリナリーが白。随分と前のことだった。
 僕の星をかたどった白いストラップは、ちょうど一ヶ月前に紐が切れてしまった。それをどうしても捨てる気にはなれなくて、僕の部屋の小さなカンの中にしまってある。
「それ、」
 ゆらゆら揺れる十字架をかたどった白いストラップを指差す。
 携帯をパタンと閉じたリナリーがニコリと笑った。
「ああ、覚えてる? みんなおそろいで買ったの」
「忘れないよ。紐は切れたけどまだ取っておいてある」
「神田なんか、こんなものうっとおしいだけだとか女々しいとか散々言ってたのよね」
「ラビは妙にはしゃいで数日後に落っことして、それをミランダ先生に見つけてもらって大喜びしてあげくに抱きついて。あれはちょっとした騒ぎでした」
 リナリーと顔を見合わせてくすくすと笑った。今でこそ笑えるけれどあの時は本当に大変だった。
 そうして笑っていると店員さんが水を持ってきてくれた。ついでに、とアレンはいつもよりは控えめに注文をする。かしこまりました。店員はいつもと同じマニュアル通りの言葉を言うと、他のテーブルへ呼ばれていった。
 少しして、注文していた軽食が届いた。アレンがおいしそうに食べるのを、リナリーは微笑みながら眺めていた。
「・・・・・ずっと、わたし達一緒だったね」
 やがて食べ終わったころを見計らって唐突にリナリーが切り出してきたものだから、肩が一瞬跳ね上がった。
 どう返せばいいのかわからなかったから、ただ、そうだねとだけ言う。
 口の中がからからになったような気がする。水を一口飲んでのどを潤した。
「リナリーでも、その、寂しいとか思ったりします・・・?」
「そりゃ、寂しくないって言ったら嘘になるわ」
 でも、とリナリーは続ける。





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