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 あさってたら何か出てきた! そんなグリーンレクイエムパロディ。
 パラレルシリーズもの予定。
 以下注意点。

・パラレルです。
・現代日本のつもり。
・「グリーンレクイエム」および「緑幻想」とは結末違います。

・アレンの髪が長くてもかまわない!
・アレンがロードとティキと伯爵と暮らしてても別に良い!
・ロードとティキが緑色の髪でも平気さ!
・ティッキャメ要素がもしかしたらあるかもしれないし無いかもしれないけれど大丈夫だ!
・CPがなくても平気だし、また手違いでアレンが誰かとくっつくようなことがあっても受け入れられる!
(今のところラビアレっぽいです。やりたいシーンだけやってるから・・・)
・ジャスデビが名前だけの登場の上、故人だとしても秋桜を恨むだけだ、問題ない!
・アレンとロードとティキとジャスデビたちが人間じゃないと聞いても興味がある!

 以上のいささか豪気すぎる方(※褒めています)は追記よりどうぞ。

 正直このシーンがやりたかった。ここに至るもろもろをすっとばしたので最初からクライマックス。
 ここまでの話とこの後の話は気が向いたら書きます。


 閑散とした店内にはいつものピアノの旋律はなかった。
 照明もつけられておらず、本は無造作に床へ散らばっていた。いくつかの棚は倒されている。
 そう、まるで、泥棒に入られたかのように。
 遅かったんだ。
 ただその言葉だけがぐるぐるとラビの頭をめぐり続ける。
「アレンは連れて行かれたよ」
 人間ではありえない、緑色の髪をした幼い少女がラビを睨みつけていた。
「だから駄目だって言ったのに。結局アレンはお前に裏切られたんだ」
「・・・違うっ!」
「違わないでしょぉ? 何も出来なかったくせに」
 ズバズバと痛いところを突いてくる。ラビは何も言い返せない自分自身をひどく悔しく思う。
 おそらくこの少女がアレンの姉代わりのロードだ。アレンを溺愛していると聞いた。
 するすると緑色の髪が蔦のように伸びてくる。蔦は明らかにラビの首を狙っていた。けれどラビは臆しなかった。
 言わなくてはいけないことがある。
「オレは違う。アレンを利用したりなんかしないし、させない。オレはアレンを助けに行く」
 咽元に伸びていた緑の髪が止まった。
「誓うさ。アレンを助ける」
 きっぱりと言い切ったラビを値踏みするようにロードは半眼で睨んだ。
 やがて髪がゆっくりと地面に落ち、短くなっていく。
「行け」
 短く、力強く、ロードは言った。
「ほれた女一人守れなくて、それで男がつとまるか。ボクのお父様はそう言ってお母様を庇って死んだんだ」
「・・・・・・」
「アレンが連れて行かれるとき、ボクは戦おうとした。させなかったのはティッキーだ。ティッキーはボクにアレンを見捨てさせることでボクを守ろうとしたんだ」
 ロードの瞳に怒りとも悲しみとも切なさともつかない、やりきれない思いが浮かんだ。
 ラビはその目をまっすぐに受け止める。そして、口を開いた。
「大丈夫、オレがアレンを助けるさ。だからお嬢さんはそのティッキーってやつと一緒にアレンの帰りを待っていてくれ。そしたらアレンが安心すると思うから」
「・・・・うん」
「・・・悪い。頼んだ」
 ロードの背後にはいつのまにかティキが立っていた。アレンの兄代わりの青年。アレンよりもロードの安全を優先させたその決断を責めることはラビにはできない。
 店に背を向け、足に力をこめて一歩を踏み出す。はき慣れたスニーカーはどんどん加速していった。
 もっともっと、速く、早く!
 ラビの頭の中では、ロードからの重みのある言葉とティキの謝罪、それからアレンの笑顔がぐるぐると回っていた。





お題元:Vacant Vacancy
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