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途中まで書いていたのにまた消えてるよ畜生!
忍者さんとの相性の悪さに涙しながら久しぶりに続き。
注意書きは1、2と同じです。
しかし糖度高めです。たぶん。(普段甘いのを書かないので書いていて恥ずかしかった程度には高いです)
それでは追記より。
その後、伯爵は世界から消えたけれど、どういうわけかアクマはまだ活動を続けていることが判明した。
最終聖戦、幾多の戦いを切り抜けてきたエクソシストたちに効果は薄いと知っていてなお、ノアたちはこちらが切り抜けられる数のアクマをたびたび遣してきた。もちろんそのたびに彼らは一匹残らず破壊――救済された。
そんな経緯でぐっと数を減らしたアクマ。しかもほとんどレベル1が残るのみ。
けれどそれらは破壊する術を持たない人間にとって脅威の対象でしかない。
製造者こそいなくなったが、人間の中に紛れこむアクマを一掃するためエクソシストは再びローズクロスを掲げることとなった。
そんな状況下、アクマの魂を見分けることができるアレンの左目はあまりにも貴重。
アレンの生きる理由がまだ残っている。そのことにラビはちょっと複雑そうな顔をした。
よかったな。
アクマが残っていてよかっただなんて、と何も知らない他人が聞いたら憤慨するだろう。
けれどアレンはラビの想いを正しくくみとった。
まだ生きろと、理由があるからと、そうラビは言ったんだ。
あんなに真剣な告白をしてきたくせに、自分の言葉はまた届かなかったと勘違いしているらしい。
そのことにちょっと不満を覚えて、けれど今までの自分自身の態度を思い返して、仕方がないことかもしれないと感じた。そうしたら急にラビをすごく愛しく思った。
衝動のままに抱きつくことはとてもじゃないけど恥ずかしかったから、ラビの首に腕をまわして引き寄せた。結果的にやってることは変わらないような気がするけど、このほうが距離もまだあるしと理性に言い訳。きっと顔は真っ赤だろう。
「僕、ラビのことが好きです」
僕とつきあってくれませんか。
語尾がちょっと震えた。恥ずかしい。
腕を解いて改めて見合わせた顔は、お互いに真っ赤だった。
・・・なんだ、一緒だったんだね。
もしもアクマが、僕の理由がいなくなっていても、僕は生きていくつもりだったよ。
ラビが、僕を呼んでくれたからね。
秘密を打ち明けるように囁けば、強く抱きしめられた。
*
部屋でごろごろとしながらのんびりとアレンとラビは会話を楽しんでいた。
ティムキャンピーはどこかに遊びに行っている。ティムはラビといるときはふらっと出かけることが多くなった。ティムなりの気遣いなのかもしれない。そう思うとなんだか照れくさい。
「アレンは明日から任務だっけ」
「はい。昨日言われて、ラビと入れ違いになるかと思いました」
「実はアレンが任務って聞いて急いで帰ってきたんさ。まったくコムイも人使いが荒いよな」
「でもそれがエクソシストの使命ですから」
答えると、ラビは不満そうにした。
「でも、」
「ん?」
「こうやってラビといられてよかった」
素直に言ってみた。やっぱり少し照れくさい。
無言のラビが気になって、ちらっと上目でうかがってみると抱きつかれた。
「あーもーアレンとずっとこうしてたいさー!」
「ラビ、ちょっと苦しいかも」
「えっ、うそ、ごめん!」
本当は嘘。顔が近いのがまだ慣れないだけ。
申し訳なさそうなラビに、うずくのは罪悪感。
だからせめて、と手を取って握ると握り返してくれた。
それが嬉しい。
ティムキャンピーが散歩から戻ってくるまで、しばらくそうしていた。
願わくば、
こんな日々がずっと続けば良いのに。
そんなことを 思った。