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基本はネタ帳。
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 携帯に気のおもむくままちょこちょこ書いていたのですが、増えていく未送信の件数にいたたまれなくなったのでこっちに移動。
 以下注意書きですー。

ラビアレ。はっきりとCP表記できるレベル、のはず。
・なのでラビアレといっても所詮はラビ+アレンでしょう、他カップル派だけど暇つぶしに読もうかな、と言う方は厳しいやも。
・で、シリアスです。シリアスのくせに(たぶん)甘かったりもしますが
死にネタ一歩手前なシリーズもの。うまい言い方がわかりません。誰か教えてください。
・完全な死にネタには秋桜が心の準備が出来ていないのでできないでしょうが、そういうのが苦手な人は見なかったことにしてください。
・シリーズものです。でも時系列に沿えたらいいな。
・ひとつひとつは短めです。
・ごめんなさい。とにかくごめんなさい。

 以上、死にネタも甘いのも切ないのもラビアレも全部おいしくいただけます、という豪気なお姉さまのみ、どうぞお進みください。


 昨日あと少しで完成だったのに全て消えたことがいまだにトラウマ・・・。うう。



 いつしか、何にも心を囚われてはいけないはずのあなたが、愛を囁いた。
 悪い冗談はやめてください。それが僕の返事。
 笑えませんよ、とつけたして。

 本当はわかっていたのに。





「やーっと二人っきりさ。昔はホクロふたつに何度邪魔されたことか」
「邪魔って・・・。リンクは僕の監視だったから仕方ないし、そもそもラビはただの友達だったでしょ」
「うわ、ただの友達ってすごく傷つく! アレン酷いさ!」
「それにしてもリンクかぁ。なつかしいな」
「無視デスカ!?」
 アレンの部屋には二人きり。けれど甘い雰囲気はかけらも無く、二人はじゃれあっていた。
 枕もとの本を開いてしおりを抜き取る。
 ラビはまだ立ち直れないようで、苛めすぎたかなと思いラビの頭を抱えるように抱きついた。
「ラビごめんね。大好きですよ」
 あの生真面目な監査官がこの場にいたら、きっと目を白黒させただろう。
 いまや、リンクの監視はとっくに解けていた。
 14番目という呼称はもうずっと耳にしていない。
 長い長い戦争は幕を下ろしていた。


 聖戦と呼ばれる人類の存続をかけた戦いは熾烈を極めた。
 このときを待っていたというかのように時代はめまぐるしく動いて。
 結果として伯爵は千年のノアの呪いから解放されて、エクソシストが勝利を収めたということになっている。
 あくまでそれは第三者から見たもので、当事者からしてみれば詭弁でしかない。
 たくさんの犠牲があった。
 その犠牲の数だけの救いはどこにあるかといえば、実のところまだ見つかっていない。
 多くの苦しみや悲しみを、この戦いに関わった者が忘れることはない。
 最後の戦いで、アレンは奇跡的に生き残ることが出来た。
 病室で目覚めて、正直、生の実感がわかなかった。
 身体が悲鳴をあげているのも聞こえずに病室を抜け出してさまよっていたアレンを見つけたのはラビだ。
 自分こそ大きな怪我を負っているくせに、息を切らしたラビはアレンを見つけるやいなや、安堵と共に抱きしめた。

 そうしてラビはアレンに、愛している、と告げた。

 まだ明日の命の保障ができなかった戦争中、ラビは一度だけアレンに想いを伝えていた。
 兄のような、親友のような、ラビ。
 そんなラビの想いに戸惑って、本気でとりあわなかったのはアレンだ。
 驚いた。驚いたし、何より怖かった。
 いつも穏やかで、時に理知的な草色の目が、本気なのだと雄弁に伝えてきたから。
 だから逃げた。
 気づかないフリをして。
 卑怯だとは、思ったけど。
 そんなもの洞察力の優れているラビならすぐに見破っただろうに。
 次の日からのラビは何事もなかったかのように完璧にふるまった。
 それにほっとして、でもどこか少し寂しく思ってしまったなんて、絶対に認めてはいけないけれど。

 あのときと同じ、どこまでも真摯な瞳でラビは愛を告げる。
 戦争は悲劇をうみ、悲劇は悲しみと絶望をうんでしまう。
 悲劇を止めるための戦士として力を尽くしたのがエクソシスト。
 ラビは、たまらないのだ、と言った。
 細い腕で重たい剣を振るって、たくさん救ってたくさん背負ってきたお前が、幸せにならないなんて、たまらなく嫌なんさ。
 アレンの幸せを願う奴は、アレンを愛している奴なら、ここにいるから。
 だからそんな迷子のような目をするな。――そんな、消えてしまいそうな目を。
 溜めこんだ想いを吐き出すように、言霊をこめるようにして放たれた言葉を裏づけるように、ラビの腕には力がこもっていって、苦しいくらいだった。
 徐々に感覚が戻ってくる。
 ―――生きているんだ。
 ラビに抱きしめられながら、アレンはいつのまにかあつい涙をこぼしていた。
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